モビプレップの紹介

新しい腸管洗浄液「モビプレップ」について

                                 (2013年6月9日掲載)

「モビプレップ」とは?

大腸内視鏡検査を行うためには、まず腸管内の便をきれいに洗い流しておくことが必要です。そのために検査前に飲んでいただくのが腸管洗浄液です。「モビプレップ」は本年6月から発売になった新しい腸管洗浄液で、当院でもそれを採用いたしましたのでご説明いたします。 6月半ばごろから切り替える予定ですが、従来のものも御希望があればご用意できますので、検査の予約時にそのようにお伝え下さい。

 

モビプレップの特徴

 これまで当院では、「ニフレック」や「マグコロールP」を腸管洗浄液として使用してきました。これは、ポカリスエットあるいはサイダーのような味の約2リットルの液体を2時間で飲み切って腸をきれいにするものです。時には全部飲んでも腸がきれいにならないことがあり、その場合には「おかわり」をして合計4リットルの液体を飲む必要がありました。そのため、検査そのものはつらくないが、洗浄液を飲むのがつらいという患者さんが結構おられました。

 このたび採用した「モビプレップ」は、ニフレックと同じ成分(PEG4000)をより濃い濃度で配合し、さらにビタミンCを追加したものです。もともとはオランダで開発され海外では既に使われていましたが、日本人に飲みやすい味に調整して日本で販売となりました。その特徴は、濃度を濃くした分だけ飲む量が減らされ、あとから水やお茶などを飲んで体の中で薄めるようになっていることです。(お酒好きの方ならおわかりになると思いますが、濃いお酒のあとにチェイサーの水を飲むようなものです。) 薬剤はそのまま水に溶かせるように写真のようなプラスチックバッグに入っており、主成分とビタミンCの2つの部分に仕切られていて、水を入れてから袋を圧迫すると仕切りが開いて混合されるようになっています。

 パッケージと中味の写真をお見せします。(クリックで拡大します)


 (包装)モビプレップ包装表 モビプレップ包装裏


 (薬剤バッグ)モビプレップバッグ表 モビプレップバッグ裏

味と飲み方は?

 実際に当院のスタッフでも味見をしてみました。ビタミンCの酸味がきいていて、一口目のイメージはリンゴジュースでしたが、もう少し飲んでみると梅ジュースのような味で、ニフレックよりも塩味を強く感じます。そのため、しばらく飲んだあとにはお茶で口直しをしたくなるので、追加のお茶もさらっと飲めます。濃くしてある分、洗浄液として飲む量はモビプレップのほうが少なくなっており、標準的な場合では1.5リットルと従来より500ml も減っています。

 一つ重要なことは、上にも述べたようにモビプレップを飲んだ後にはその半分の量の水かお茶(コーヒー、紅茶も可)を必ず飲まなくてはいけないことです。そのままだと濃度が濃いために、体の水分が腸の中に吸い出されて脱水になる可能性があるからです。こう書くとなんだか恐ろしく聞こえるかもしれませんが、喉が渇いたら水やお茶を飲めば大丈夫ですし、むしろそれでお茶がすすんで楽に飲めるようになります。水分を飲むのはモビプレップを飲む前でも最中でも構いませんので、いつでも自分の飲みたい時に口直しができます。ただし、万一のことを考えて一人では飲まないように指示されていますのでご注意下さい。特に、ご高齢の方や大きな持病のある方では脱水を起こす可能性もありますので、誰かに付き添ってもらって飲んだ量をチェックしてもらうようにして下さい。詳しくは必ず最新の添付文書を参照して下さい。発売開始時点で添付されている飲み方のガイドはこのようなものです。


モビプレップ飲み方説明1
便秘で腸がきれいになりにくい場合には?

 さて、きれいになるまでの標準量はモビプレップではおおよそ1.5リットル+水分750mlですが、便秘症の方でそれでも腸がきれいにならない時にはにはさらに追加を飲む必要があります。追加の際にはモビプレップをまず500ml飲んでいただき、その後に水分250mlを飲んで終了です。こうして最大限飲んだ場合には、合計でモビプレップ2リットル+水分1リットルを飲むことになります。これは大変に思われるかもしれませんが、従来の方法では同じ味のニフレックだけを標準で2リットル、最大4リットル飲んでいたわけですから、「これでも楽になっているんだ」とご理解いただければ幸いです・・・・。

 ちなみに、モビプレップの新薬申請時の厚労省の審査でモビプレップと従来のニフレックを比較したデータでは、きれいになるまでに飲んだ量の平均値がモビプレップ1.6リッター+水分800mlの計2.4リッターに対し、ニフレックは2.6リッターでした。このように液体として飲む量の合計は少ししか減っていませんが、薬剤そのものを飲む量は半分近く(1.6リッター対2.6リッター)になっていますので、だいぶ楽になったと言えると思います。また、飲みはじめから腸がきれいになるまでの時間もモビプレップは2.6時間、ニフレックは3.2時間で、30分ほど短縮されています(参照:資料の17ページ、表13・14)。

 添付のパンフレットで飲み方をまとめた図が以下のようなものです。


モビプレップ飲み方説明2

この図では合計でモビプレップ1.5リットルと水分750mlを飲むことになっていますが、上にも述べたように、それでもきれいにならない場合にはさらに追加して、最大でモビプレップ2リットル+水分1リットルを飲むことになります。(飲み方のパンフレットの全体はこのページの一番下に添付してあります。)

実際に使ってみた感想は?

 当院でも既にモビプレップで検査を受けていただいた方が何人かいます。以前に他院でニフレックを使って大腸検査を受けた際に途中で飲めなくなって吐いてしまったという方に感想をお聞きしたところ、「標準量の1.5リットルまではお茶も含めて楽に飲めたが、結局追加が必要になり追加分の500mlはやっぱりきつかった。しかし全体としてはニフレックよりも楽で吐くこともなかった。」とのことでした。検査をする側の印象としては、ニフレックよりも残渣が少なく検査がやりやすい感じでした。まだ数例の経験しかありませんので正確な比較とまでは言えませんが。

当院での飲み方

 当院では、朝クリニックに来ていただいて院内1階の検査用ラウンジで腸管洗浄液を飲むことができるようにしていますが、モビプレップはあらかじめ溶かしてご用意しておきます。合い間に飲む水は、ウォーターサーバーから冷水とお湯が出ますのでそれをお使い下さい。またティーバッグやインスタントの緑茶やコーヒーも置いてありますので、お湯で飲み物を作っていただくことができます。

 冷やした飲み物を御希望の方は、ペットボトルのお茶などをご持参下さい。飲んで良いのは、お茶 (煎茶、番茶、ウーロン茶、麦茶)、 コーヒー・紅茶 (ミルク入りは不可)などです。ただし、コーヒーはコップ1杯程度なら大丈夫ですが、あまりたくさん飲むと濃い褐色の液が腸内に残ってしまうので注意して下さい。クリニックの受付にも冷やしたペットボトルのお茶を数種類ご用意しておりますので、それを買っていただくこともできます。

 モビプレップ1リットルと水分500mlを飲み終わった時点で、看護師が便の具合をお尋ねしてチェックさせていただきます。まだきれいになっていないようなら、さらにモビプレップ500ml+水分250mlを追加。もう一度チェックしてきれいでなければさらにモビプレップ500ml+水分250mlを追加して終了となります。(実際はきれいになった時点でモビプレップを中止し、必要な分量の水分を追加して飲んで終わりになるので、細かくは違いますが大体の流れは上記のようになります。)

飲み方の説明パンフレットについて

発売開始時点での飲み方のパンフレットは以下のようなものです。実際にモビプレップをお飲みになる際には必ず最新のパンフレットを参考にするようにして下さい。(クリックすると拡大します)

モビプレップパンフレット1   モビプレップパンフレット2
モビプレップパンフレット3   モビプレップパンフレット4
Google+

投稿 黒田敏彦

ページトップへ