モビプレップの説明

腸管洗浄液「モビプレップ」について

「モビプレップ」とは?

大腸内視鏡検査を行うためには、まず腸管内の便をきれいに洗い流しておくことが必要です。そのために検査前に飲んでいただくのが腸管洗浄液で、「モビプレップ」はその一つです。

モビプレップの特徴

 当院では、他にも「ニフレック」や「マグコロールP」を腸管洗浄液として使用していますが、モビプレップはニフレックと同じ成分(PEG4000)をもっと濃い濃度で配合し、ビタミンCを追加したものです。その特徴は、濃度を濃くした分だけ飲む量が減らされ、あとから水やお茶などを飲んで体の中で薄めるようになっていることです。(お酒好きの方ならおわかりになると思いますが、濃いお酒のあとにチェイサーの水を飲むようなものです。) 薬剤はそのまま水に溶かせるように写真のようなプラスチックバッグに入っており、主成分とビタミンCの2つの部分に仕切られていて、水を入れてから袋を圧迫すると仕切りが開いて混合されるようになっています。

 パッケージと中味の写真をお見せします。(クリックで拡大します)

 (包装)モビプレップ包装表 モビプレップ包装裏

 (薬剤バッグ)モビプレップバッグ表 モビプレップバッグ裏

 
味と飲み方は?

 実際に当院のスタッフでも味見をしてみました。ビタミンCの酸味がきいていて、一口目のイメージはリンゴジュースでしたが、もう少し飲んでみると梅ジュースのような味で、ニフレックよりも塩味を強く感じます。そのため、しばらく飲んだあとにはお茶で口直しをしたくなるので、追加のお茶もさらっと飲めます。

 一つ重要なことは、上にも述べたようにモビプレップを飲んだ後にはその半分の量の水かお茶を必ず飲まなくてはいけないことです。モビプレップを飲むだけだと濃度が濃いために、体の水分が腸の中に吸い出されて脱水になる可能性があるからです。こう書くとなんだか恐ろしく聞こえるかもしれませんが、喉が渇いたら水やお茶を飲めば大丈夫ですし、むしろそれでお茶がすすんで楽に飲めるようになります。水分を飲むのはモビプレップを飲む前でも最中でも構いませんので、いつでも自分の飲みたい時に口直しができます。ただし、万一のことを考えて一人では飲まないように指示されていますのでご注意下さい。特に、ご高齢の方や大きな持病のある方では脱水を起こす可能性もありますので、誰かに付き添ってもらって飲んだ量をチェックしてもらうようにして下さい。下記は添付されているガイドの一部ですが、詳しくは必ず最新の添付文書を参照して下さい。

モビプレップ飲み方説明1

 
便秘で腸がきれいになりにくい場合には?

 さて、きれいになるまでの標準量はモビプレップではおおよそ1.5リットル+水分750mlですが、便秘ぎみの方でそれでも腸がきれいにならない時にはさらに追加を飲む必要があります。追加の際にはモビプレップをまず500ml飲んでいただき、その後に水分250mlを飲んで終了です。こうして最大限飲んだ場合には、合計でモビプレップ2リットル+水分1リットルを飲むことになります。

 ちなみに、モビプレップの新薬申請時の厚労省の審査でモビプレップと従来のニフレックを比較したデータでは、きれいになるまでに飲んだ量の平均値がモビプレップ1.6リッター+水分800mlの計2.4リッターに対し、ニフレックは2.6リッターでした。このように液体として飲む量の合計は少ししか減っていませんが、薬剤そのものを飲む量は半分近く(1.6リッター対2.6リッター)になっていますので、だいぶ楽になったと言えると思います。また、飲みはじめから腸がきれいになるまでの時間もモビプレップは2.6時間、ニフレックは3.2時間で、30分ほど短縮されています(参照:資料pdf  3ページ目の左側)。

 添付のパンフレットで飲み方をまとめた図が以下のようなものです。

モビプレップ飲み方説明2

この図では合計でモビプレップ1.5リットルと水分750mlを飲むことになっていますが、上にも述べたように、それでもきれいにならない場合にはさらに追加して、最大でモビプレップ2リットル+水分1リットルを飲むことになります。(飲み方のパンフレットの全体はこのページの一番下に添付してあります。)

 
実際に使ってみた感想は?

 当院でモビプレップを飲んでいただいた方で、以前に他院でニフレックを飲んで途中で吐いてしまったという方に感想をお聞きしたところ、「標準量の1.5リットルまではお茶も含めて楽に飲めたが、結局追加が必要になり追加分の500mlはやっぱりきつかった。しかし全体としてはニフレックよりも楽で吐くこともなかった。」とのことでした。

 

当院での飲み方

 当院では、朝クリニックに来ていただいて院内1階の検査用ラウンジで腸管洗浄液を飲むことができるようにしていますが、モビプレップはあらかじめ溶かしてご用意しておきます。合い間に飲む水は、院内で500mlのペットボトル飲料(ミネラルウォーター、緑茶、ほうじ茶、無糖ストレート紅茶)を1本100円で販売しております。ご自分で買ってお持ちになっていただいても結構ですが、ミルクや甘み成分、果肉などが入ったものはお飲みいただけません。

 モビプレップ1リットルと水分500mlを飲み終わった時点で、看護師が便の具合をお尋ねしてチェックさせていただきます。まだきれいになっていないようなら、さらにモビプレップ500ml+水分250mlを追加。もう一度チェックしてきれいでなければさらにモビプレップ500ml+水分250mlを追加して終了となります。(実際はきれいになった時点でモビプレップを中止し、必要な分量の水分を追加して飲んで終わりになるので、細かくは違いますが大体の流れは上記のようになります。)

 中には全量飲んでも十分にきれいにならない場合もあり、その際は別の洗浄液であるマグコロールPを追加で飲んでいただきます。マグコロールPはサイダーのような味で、濃い味のモビプレップを飲んだ後には比較的さらっと飲めると思います。(もちろん、追加のおかわりになると大変ではありますが。)

 
飲み方の説明パンフレットについて

発売開始時点での飲み方のパンフレットは以下のようなものです。実際にモビプレップをお飲みになる際には必ず最新のパンフレットを参考にするようにして下さい。(クリックすると拡大します)

 

モビプレップパンフレット1   モビプレップパンフレット2

 

モビプレップパンフレット3   モビプレップパンフレット4

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