検査を予約される際の確認事項

大腸内視鏡検査を予約される方へ

当院では患者さんご自身で選んでいただくように、いろいろな選択肢をご用意しているほか、検査を受ける前にチェックしていただきたいことがいくつかあります。検査の承諾書にも一部含まれておりますので、以下のチェック項目でご自分に当てはまることがあればご確認をお願い致します。こんなにたくさん読んではいられないという方には、一番最初の「血液サラサラの薬」と「ポリープ切除の希望」のところだけでもお読みいただければ結構です。

【検査予約から来院するまでのチェック項目 】
1. 血液を固めにくくするお薬(血液サラサラの薬)を飲まれていませんか?
2. ひどい便秘症ではありませんか?
3. 検査前日の食事について
4. 検査時に着用する検査着について
5. 腸管洗浄液を自宅で飲むか、来院してから飲むか
【検査来院時から検査開始までのチェック項目】
1. お好みの腸管洗浄液はありますか?
2. 検査時に鎮静剤を希望されますか?
3. 大腸ポリープが見つかった場合に切除を希望されますか?

検査予約から来院するまでのチェック項目

1. 血液を固めにくくするお薬(血液サラサラの薬)を飲まれていませんか?

 血液サラサラのお薬を飲まれていても内視鏡検査を受けることは可能ですが、出血を起こす可能性があるのでポリープの切除はできません。しかし、サラサラのお薬を勝手にやめることは絶対にしないで下さい。まずその薬を処方されている主治医の先生とよく相談して許可をもらっていただく必要があります。ご不明の点は当院まで電話でお問い合わせ下さい。

2. ひどい便秘症ではありませんか?

 便秘で便がたまっていると、検査当日に飲んでいただく腸管洗浄の下剤の量が多くなる可能性があります。ですから、普段から便秘ぎみで2〜3日以上便が出ないような方では検査前1週間くらいはきちんと下剤を飲んで毎日排便しておいた方が当日の腸管の洗浄がスムーズになります。もし下剤をお持ちでないようでしたら処方致しますので、検査前に一度ご来院ください。毎日排便のある方では事前の下剤は必要ありません。

3. 検査前の食事について

 見落とし無くすみずみまで大腸を検査するためには、大腸の中に便の残りがなく、きれいになっている事が重要になります。そのために、検査前3日間は野菜やキノコ・海草・果物など繊維質のものを食べないようにして下さい。便通にいいだろうと検査前に繊維質のものを食べてこられる方がいますが、残渣が腸の中に残ってかえって検査がやりにくくなってしまいます。便秘の方では、上記の項目2にも書きましたが、大腸検査前には下剤を使って排便をうながす事をお勧めします。

食べてはいけないもの、食べてよいものは以下の通りです。

 食べてはいけないものは、野菜全般(特にネギ、タマネギ、ナス、トマトなど)、キノコ、海藻、コンニャク、果物など植物性のもの。

 食べても良いものは、ごはん(おかゆである必要はありません。普通の米飯で大丈夫です)、麺類(うどん、そば、ラーメン)、パン、卵料理、肉・魚類、練り物(かまぼこ、はんぺんなど)、豆腐、ゆば、お揚げ、乳製品(牛乳、バター、チーズ、クリームなど)です。植物性のものでは、ジャガイモとバナナなら食べても大丈夫です。

 ご自分では食事を工夫できない方のために、検査用のレトルト食事セット(クリアスルーコロミルなど)をクリニック受付で販売しております。代引きで宅配することも可能ですので、電話でご相談ください。

4. 検査時に着用する検査着について

 便がきれいになりましたら、検査前に検査用ガウンと紙製使い捨てパンツに着替えていただきます。ご自宅からパジャマなどをご持参になれば、それに着替えて検査を受ける事も可能です。

5. 腸管洗浄液を自宅で飲むか、来院してから飲むか

 大腸内視鏡検査を初めて受ける方には、基本的に来院してから腸管洗浄液を飲むことをお勧めしています。というのは、初めてだと洗浄液が口に合わなくて全部飲めなかったり、便秘がひどいと十分な排便が得られないことがあるからです。

 以前に検査を受けた事があり検査の流れがおわかりになっている方や、便秘も無く洗浄下剤を飲む事に自信のある方、クリニックでは落ち着いてトイレに行けなくて心配という方などでは、ご自宅で洗浄下剤を飲んでから来院する事も可能です。その場合は、一度事前に受診していただき検査用腸管洗浄液をお渡しします。検査当日は、洗浄液の内服開始後2〜3時間してひとしきり便が出てしまうと、後はあまり便意を感じなくなるので、電車などで来院できるようになります。

検査来院時から検査開始までのチェック項目

1. お好みの腸管洗浄液はありますか?

 現在、大腸内視鏡検査用によく使われる腸管洗浄液は4種類あります。当院ではモビプレップ、ニフレック、マグコロールP、ビジクリアの4銘柄の腸管洗浄液の中から選んでいただけます。いずれも約2リッターの下剤ないしは水分を飲む点では同じですが、モビプレップは腸管洗浄力が高く、きれいになるまでの時間も短いので、特に御希望のない場合はモビプレップをあらかじめご用意させていただきます。詳しくはモビプレップの説明のページをご覧ください。もしそれ以外に、以前の検査で飲みやすかったなどの理由でモビプレップ以外の腸管洗浄液を希望される方は、検査をご予約の際にあらかじめご希望をお知らせ下さい。医学的に問題の無い限りご希望に添うように致します。

 それぞれの腸管洗浄液の特徴は以下の通りです。

モビプレップ(ポリエチレングリコール系):梅ジュースのような味で、少し塩味が濃いです。

ニフレック(ポリエチレングリコール系):ポカリスエットのような味です。

マグコロールP(マグネシウム系):サイダーを薄めたような味です。

ビジクリア(リン酸ナトリウム系):50錠の錠剤を15分おきに5錠ずつ飲んでいき、その合間に水・お茶・紅茶を200mlずつのみ、約2時間かけて計2リッター飲みます。これは、飲み方が難しいのでクリニックで飲むことをお勧めします。

2. 検査時に鎮静剤を希望されますか?

 当院では患者さんのご希望に応じて鎮静剤を使用しています。大腸内視鏡検査で痛みが出るかどうかはその患者さんの大腸の長さや癒着の有る無しで違ってきます。内視鏡挿入時に大腸が伸ばされてしまうと痛みが出るわけですが、日本人では一般に男性より女性の方が大腸が長かったり屈曲が強いことが多く、女性の方が痛みが出やすい傾向にあります。実際の経験では、男性では7〜8割、女性では約半数の方で鎮痛剤がなくても多少の圧迫感くらいで検査を終えることができるので、鎮静剤を使いたくないというご希望の方にはそのようにしています。しかし検査は修行ではありませんから、我慢して受ける必要はありません。「以前の検査が痛かった」とか「とにかく痛いのがいや」「なんだか怖い」という方は、鎮静剤を使ってラクに痛くなく検査を受けられます。鎮静剤の強さは、お話ししながらご自分で画面も見られる「弱め」のものと、ウトウトして眠るような「強め」のものの2通りを用意してありますのでお選び下さい。鎮静剤の効き方には個人差も大きいので、いずれの場合でも量を加減して使用します。

 「弱め」の鎮静法では点滴はせずに、腕から鎮静剤を静脈注射します。少しぼーっと眠いような感じがしますが、眠ってしまうほどではありません。同じ量を使っても人によって効きが違い、全く眠気を感じない場合もあれば眠くなって寝てしまう場合もあります。多くの場合、これだけで十分に痛みも感じず、院長と時々お話ししながら、ご自分でも画面を見つつ検査を受けられます。ご自分の腸の中をご覧になって、その美しさに感動される方も多いです。検査終了後はリカバリーチェアで1時間ほど休んでいただきます。あまり多くはありませんが、弱めの鎮静をしても痛みがある場合には、点滴をして強めの鎮静に移行する場合もあります。

 「強め」の鎮静法では、点滴をしながら鎮静剤を静脈注射します。これによってかなりボーッとして、眠ってしまう事が多いですが、中には、完全に眠るのではなくぼんやりと何かしているのがわかるくらいの事もあります。検査終了後はリカバリーチェアで2時間ほど休んでいただきます。

 検査結果については、十分にさめた後でご説明します。また、いずれの鎮静法でも検査後に車・バイク・自転車を運転して帰ることはできません。必ず公共交通機関を利用するか、誰かに送り迎えを頼んで帰宅するようにして下さい。鎮静剤を使用しない場合は、検査後すぐに帰っていただけますし、運転することも可能です。

3. 大腸ポリープが見つかった場合に切除を希望されますか?

 前ページにも書きましたように、電気メスを使ったポリープ切除を行なった場合、1週間は旅行などの遠出や飲酒を避けていただく必要があります。電気メスを使ってポリープを切除するとごくまれに(当院では0.5%以下です)切除部位から出血して、再度内視鏡で止血をすることが必要になることがあります。もちろん、このようなことが万一おこった場合には24時間いつでも対応できるようにしておりますが、ご旅行で遠くに行っていたりすると対応できなくなってしまいます。また、飲酒すると血液の循環が良くなって出血の可能性が増すと考えられています。出血はふつう切除後1週間以内におこりますので、この間に旅行や飲み会のご予定がある場合には電気メスを使ったポリープ切除ができません。

 それ以外の理由でも切除を希望されない場合には観察のみの検査としますので、事前にポリープ切除を希望するかどうかを承諾書に記入していただきます。

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