大変申し訳有りません。ただいま準備中です。近日中にアップロードします。
当院では大腸内視鏡検査を電話1本で予約して受けられますが、前日の食事など若干注意していただいた方が良いことがあります。さらに当院では、検査用下剤の種類や検査時の鎮静剤の使用などについて患者さんご自身のご希望を聞き、医学的に問題の無い限りはご希望に添うようにしております。細かい内容は次のページに書いておきますので、検査を予約する際には是非ご一読下さい。このページには、大まかな大腸内視鏡検査の流れについて書いておきます。
大腸内視鏡検査を行うには大腸をきれいな状態にする必要があり、そのために約2リットルの腸管洗浄液(下剤)を2時間くらいかけて飲んでいただきます。検査の流れと注意点は大まかに以下のようになります。
検査前に食べた食事の内容により、繊維質のものは腸の中に残って検査がしづらくなります。
特にキノコや海藻などはそのままの形で残ります。便秘気味の方では、2~3日前のものも残りますので、数日前から気をつけていただいた方が良い場合もあります。なるべく良い状態で見落としのない検査を行うため、検査前には以下のような食事の注意を守っていただくようにお願いしています。
検査前3日間は野菜や海藻などの繊維質のものを避け、検査前日は遅くとも午後8時までに夕食を済ませます。その後は、水・お茶などの透明な水分以外は摂らないで下さい。ご自分で食事を準備できない方には、レトルトの検査食セットをクリニックの受付で販売しております。ご希望により宅配便でお届けすることも可能です。細かい食事の注意については次のページで詳しくご説明します。
当日朝から、クリニック(あるいは自宅)で約2リットルの腸管洗浄液を2時間位かけて飲みます。 7〜10回の排便があり、透明な黄色い液体しかおしりから出なくなったら検査を受けられます。ここまで通常2〜3時間かかります。
ご自宅で下剤を飲まれた場合には、2〜3時間してひとしきり便が出てしまうと、後はあまり便意を感じなくなるので、電車などで来院できるようになります。
検査直前に検査用の紙パンツにはきかえ、検査用のガウンを着ていただきます。パンツを持参していただいても結構です。
ご希望により検査前に鎮静剤を注射します。当院で使っている鎮静剤では、少しお酒を飲んだような感じでぼーっとしますが、ほとんどの場合、眠ってしまうほどではないので、モニターに映る検査の映像をライブで見ていただけます。大概の方でこれだけで痛みを十分にとることができますが、それでも痛みがつらい場合には鎮静剤を追加してウトウト眠っていただきます。詳しくは次のページでご説明します。検査はポリープなどが無ければ20~30分ほどで終わります。当院では小さなポリープも極力見逃さずに切除するように心がけています。大腸の奥までの到達時間は早くて2、3分、通常は5~10分です。細かい観察は内視鏡を抜いてくる際に行い、複雑な大腸のヒダの陰などを入念に見ながら抜去していきますので検査全体には、簡単な腸で20分、通常は30分くらいかけています。
検査終了後は、鎮静剤を使っていなければすぐに帰れますが、鎮静剤を使った場合には院内で1〜2時間休んでいただきます。また、鎮静剤を使用した場合には、当日は車・バイク・自転車を運転することはできませんので、公共交通機関で来院されるようお願い致します。
ポリープ切除のない場合には、検査後すぐに普通のものを食べて構いませんし、生活上の注意も特にありません。
ポリープを切除した場合、そのサイズにもよりますが、1週間は食事や飲酒の制限を守っていただく必要があります。詳しくは以下をご覧ください。
大腸ポリープには切除した方が良い腺腫性ポリープ(adenoma)と、切除の必要のない過形成性ポリープ(hyperplastic polyp)があります。前者は将来癌化する可能性があるので切除をお勧めしますが、後者は癌化の可能性が少ないと考えられており、切除せず経過観察します。腺腫性ポリープは大腸内視鏡検査を受けた方の約3~4割に見つかります。
当院ではポリープが見つかった場合には基本的にその場で切除することをお勧めしています。すぐに切除することができない場合としては、1週間以内に遠出や旅行の予定がある場合、血液をサラサラにするお薬を飲まれている場合、当院で切除するには大きすぎるポリープがあった場合があります。
以下のような場合には、ポリープを切除することはできません。
1.血液をサラサラにするお薬(バイアスピリン、プラビックス、パナルジン、エパデールなど)を飲んでいる方。
このような薬を飲まれている方で、ポリープ切除を希望される場合は、主治医の先生の許可を得た上で、薬を休んでいただく必要があります。詳しくは、当院まで電話でお問い合わせいただくか、事前に一度来院して診察を受けて下さい。
2.旅行や遠出のご予定が1週間以内にある場合
ただし、以下に示すように、5mm以下の小さいポリープの場合は、コールドポリペクトミーという方法で切除しますので、旅行が可能な場合もあります。
3.大きすぎるポリープ(当院では2cm以上のポリープでも可能なものは切除しますが、安全上問題があると判断される場合は、切除せずにご紹介となります。)
当院では2015年から、5mm以下の小さいポリープについてはコールドポリペクトミーとよばれる方法で切除しております。その場合、切除後の出血リスクがほとんどないため、当日の禁酒以外には切除後の生活制限はありません。6mm以上の大きさのポリープでは、電気メスを使った切除をしており、切除後1週間は以下のような生活制限を守っていただく必要があります。ですから、ポリープ切除を希望される場合は、旅行や飲酒(宴会)などのご予定を検査後1週間は入れないようにお願いいたします。最終的には、検査当日に医師がスケジュールをお伺いし、ポリープ切除が可能かどうか判断させていただきます。
電気メスを使ったポリープ切除を行なった場合は、以下のように旅行や飲酒は1週間できません。
《遠出・旅行の制限》
万一出血が起こった場合にはクリニックに来ていただき内視鏡で止血を行いますので、切除後1週間は旅行など遠方にお出かけになることはおやめ下さい。
《飲酒・香辛料の制限》
出血の予防のため、ポリープ切除後1週間は、お酒を飲んだり辛いものを食べることはできません。これは切除後の出血のリスクをかなり増やしますので、必ずお守り下さい。
《入浴の制限》
切除の当日は、シャワーも入浴もできません。翌日はシャワーのみ、翌々日から入浴可能です。
《食事の制限》
ポリープ切除の当日と翌日は食事にも制限があります。
まず、ポリープを切除した当日は、検査終了後も水・お茶など透明な飲み物しか摂れません。コーヒー・紅茶なら、お砂糖は入れても構いませんが、ミルクは入れないようにして下さい。ジュースは、果肉の入っていない透明なもの(例えばリンゴ・ぶどうジュースの果肉のないもの)なら差し支えありません。はちみつレモンなどの缶飲料も、ミルクや果肉の入っていないものでしたら飲んでいただけます。炭酸が入っていても大丈夫です。もし塩味のものが欲しければ、具のないコンソメスープやすまし汁を飲むようにして下さい。
切除の翌日は、丸一日、レトルトの検査食セットを食べていただきます(商品名:ポリエクトミール。検査終了後にお渡しします)。内容としては、おもゆから少しずつ硬めのお粥になっていきます。それ以外でしたら、牛乳やヨーグルトは摂っても大丈夫です。
切除の翌々日からは、普通の食事を摂っていただけますが、飲酒や辛いものは1週間避けていただきます。
次のページには詳しい注意点やご自分で選んでいただく内容を書いてありますので、検査までにお読み下さい。
以下に、大腸肛門科で訴えの多いおなかの症状を挙げてあります。実際には、便が細い、便が回数を分けて出る、おなかが張るなどの症状は必ずしも大腸に異常があるとは限りません。しかし、内視鏡で異常のないことを確認しないと確実な診断はできませんので、怖がらずに一度は大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
便が軟らかい方、便が1日に回数を分けて出る方などでは時々見られ、必ずしも異常とは限りません。しかし、直腸やS状結腸に狭窄をおこすような大腸ガン、大腸ポリープの可能性もありますので、大腸内視鏡検査が必要です。
朝、最初に排便があった後に、さらに何回か少し時間をおいて繰り返し排便のあるタイプと、1日のうちに時間を分けて毎食後などに排便のあるタイプがあります。前者では、大腸の上の方にある便が肛門近くの便が排出された後に少したってから下の方に送られてきて、順次便意を起こし排便が起こります。後者では、食事や運動などが腸を刺激して排便を促します。このような症状が5〜10年以上続いていて変化が無いということであれば体質的な腸の習慣ということが考えられますが、最近半年くらいで起きてきたような場合には大腸ガンや大腸ポリープによる症状である可能性があります。いずれにせよ、一度は大腸内視鏡によるチェックが必要です。
直腸やS状結腸に、大腸ガン、大腸ポリープができている可能性があります。実際には単にストレスなどで便意が瀕回になっている場合も多いので、心配するよりはまず検査を受けましょう。
【肛門の症状】の「肛門から血が出る」の項を参考にしてください。
便秘で便がたくさんたまっていたり、あるいは便秘でなくとも便が下におりてくると、腸が張って痛みを感じることがあります。腸は、内側の粘膜には知覚が無く痛みも感じませんが、腸管壁が引き伸ばされると痛みとして感じます。(このため、内視鏡検査のときに大腸を無理に押していれると大腸壁が引き伸ばされて痛みを感じます。)下痢のときに腸の動きが高まって(亢進していると言います)、おなかが痛むのも同じ理屈で、腸の激しい動きで局所的に腸管内の圧力が高まり、腸管壁の一部が引き伸ばされるものと考えられます。排便前の痛みはS状結腸で起こるため、左下腹部に感じることが多いです。便秘や腸炎以外にも、大腸ガンや大腸ポリープで腸の流れが悪くなっていてもこのような症状が起こるので、繰り返しこのような痛みが続く場合には大腸内視鏡検査が必要です。
上に述べたような排便前の腹痛と同様、腸管が張っておこります。やはり繰り返し起こるようなら、大腸に異常のないことを確認するために大腸内視鏡検査をお勧めします。
腸管の緊張状態が強く、大腸に強い蠕動運動の見られる方によく見られる症状です。過敏性大腸症候群と呼ばれることもありますが、それほど典型的でなくても普段からこのような傾向を自覚されている方は多くいます。一般には精神的ストレスも影響していると言われます。なるべくストレスのかからない規則正しい生活をして、適度な運動をし、野菜や海草などの繊維質のものを多く取るようにすることが大切です。やはり、便通があまり困難になるようであれば、一度大腸内視鏡検査で大腸を調べる必要があります。
ガス(おなら)はその大部分が食事などと一緒に口から入ってきた空気であり、腸管内で発生するガスはごく一部です。ですから、精神的なストレスのたまっているときに無意識のうちに空気を飲み込んでしまい、排ガスが多くなることが見られます。しかし、腸が健康でない場合に腸管内で異常発酵がおこりガスが発生することもあります。予防としては、ストレスの少ない規則的な生活をし、ヨーグルトなどの乳酸菌や野菜・海草などの繊維質のものを多く取ることが必要です。あまりガスが出て、おなかが張って苦しいときには大腸の検査をお勧めする場合もあります。
このような場合には腸の慢性炎症を起こす病気を考える必要があります。具体的には、潰瘍性大腸炎やクローン病と言ったものです。大腸内視鏡検査で正確な診断をすることが必要です。
急に腹痛が起こり、下痢に続いて血液が繰り返しトイレで出る症状があれば、虚血性大腸炎が疑われます。数日便秘した後に起こることもあれば、とくに誘因無く起こることもあります。また、大腸憩室出血の可能性もあります。いずれの場合も痛みの程度は様々で、ほとんど腹痛を感じないこともあります。外来患者さんでこのような出血が見られたら、すぐに大腸内視鏡検査を行い診断します。大腸憩室出血の場合には内視鏡で止血を行う場合もあります。その他、大腸ガンからの出血の場合もありますので、大腸内視鏡検査は必須です。まれに大腸憩室出血では輸血が必要なほどの出血の起こることもあり、その場合は入院のできる病院にご紹介します。
大腸に内視鏡を入れる際、腸が押されて伸びると痛みが出ます。当院では、そうならないように軸保持短縮法という方法で腸をたぐり寄せながら内視鏡を進めていきます。
しかし、この方法を使えばすべての方で検査が痛みなく行えるというわけではありません。違和感も痛みも感じない方もいれば、痛みがつらいと感じる方もおられます。当院では、検査前に患者さん自身のご希望をうかがい、痛みが怖いようでしたら最初から鎮静剤を使うことをお勧めしています。また、検査途中でも痛みがあれば必要に応じて鎮静剤を追加し、つらかったという印象があとに残らずにすむよう心がけています。
腸の検査は病気がないかを調べるためのものです。いくら早く検査が終わっても、病気が見落とされては意味がありません。
大腸内視鏡検査では入れながら病変を探していると思われるかもしれませんが、実は病変を観察するのは抜く時です。もちろん大きい病変は入れていく際にわかりますが、小さい病変は抜くときに見つかります。その理由は、大腸を空気で膨らませてしまうと腸が伸びて内視鏡が進みにくくなるため、挿入時には空気を送ってヒダを広げることができないからです。内視鏡が奥まで入ってはじめて空気を送り、ヒダの奥まで広げてポリープを探すことができます。ですから、隠れたポリープを見落とさないようにするには、ゆっくりと観察しながら抜いてくることが大事になります。
できるだけ病変を発見して将来の大腸がんの発生を予防するためには、時間をかけて丁寧に観察することが重要であると科学的に証明されています。内視鏡をさっと入れてさっと抜いてしまうのでは、せっかく苦労して検査を受ける意味が半減してしまいます。当院では、抜いてくるときに十分に観察してわかりにくいポリープでも見つけて切除することを重視しており、検査開始から終わりまで30分前後かけています。理想とするのは、奥まで苦痛なくさっと入れ、よく観察しながらゆっくりと抜いてくる検査です。
大腸のポリープには取る必要のあるものと取らなくても大丈夫なものがあります。当院では、取らないでよいとはっきり判断できるポリープは切除せずに様子をみますが、取る必要のあるポリープと疑われるものは、3〜4mmと小さくても取るようにしています。目標とするのは、「クリーンコロン」と呼ばれるポリープが1個も残っていない状態です。しかし、ポリープが数多くある場合には一度に取りきれないので、後日再検査して取ることになります。切除するポリープの数が多ければ多いほど、切除後出血のリスクも必然的に増えますから、一回の検査で切除するポリープの数は原則として5個までとしています。ただし場合によっては一度に7〜10個のポリープを取る場合もあります。
従来の大腸ポリープ切除では、電気メスという装置を使って高周波の電流を組織に流して焼き切る方法で切除していました。この方法では、切除部の周囲も少し焼かれるので病変の取り残しが起こりにくいというメリットはありますが、切除後出血のリスクがわずかながらあり、検査後1週間は食事・飲酒・旅行の制限があるというのが欠点でした。
当院では2015年から、4mm以下の小さいポリープにかぎり、コールドポリペクトミーと呼ばれる方法で切除しており、この方法での切除後の出血事例は全くないという良好な結果を得ています。コールドポリペクトミーでは切除後の生活制限がほとんどないので、従来のポリープ切除よりも大変楽に過ごせます。
ポリープの形にもよりますが、2cm以上の大きさのポリープであっても、表面の様子から良性であると判断され、当院で切除可能なものは切除しています。切除できない大きさのものが見つかったら専門病院にご紹介します。
大腸がんや当院では切除できない大きさのポリープが見つかった場合は、専門的な治療ができる病院にご紹介しています。紹介先の病院については、もしご希望のところがあればそちらにご紹介しますが、特にご希望のない場合は、東京大学医学部附属病院の大腸肛門外科にご紹介しています。国立がんセンター大腸外科やがん研有明病院消化器外科にも大学の医局を通じての関連がありますので連携してのご紹介が可能です。大きいポリープの切除については東京大学医学部附属病院のほか、国立東京医療センター、昭和大学横浜北部病院などにご紹介しています。
ポリープやがんなどの他にも、大腸に慢性の炎症(炎症性腸疾患と呼びます)が見つかることも最近増えています。多くのものは当院で飲み薬や坐薬を処方して治療しますが、炎症の程度によってはより高度な治療が必要となる場合があります。その場合は、連携している専門病院にご紹介いたします。主な紹介先は東京大学医科学研究所大腸肛門外科ですが、そのほかの紹介実績としては、昭和大学病院消化器内科、慈恵医大附属病院消化器・肝臓内科、JCHO東京山手メディカルセンター炎症性腸疾患センターなどがあります。
大腸内視鏡検査の前には2L以上の腸管洗浄液を飲んで腸管内の便を洗い流す必要があり、通常2〜3時間以上かかります。当院では検査前の下剤を来院してから院内で飲んでいただくことが可能です。ご自宅で下剤を飲んでから来院することをご希望の方には、そのようにすることもできます。(飲み方の詳しい説明のページはこちら。)
大腸検査用の下剤(腸管洗浄液)にはいくつか種類があります。残念ながらどれも美味しいと言えるようなものではありませんが、味には少し違いがありますので、ご希望があれば選んでいただけるようにしています。(下剤の種類の詳しい説明のページはこちら。)
上にも述べたように、大腸の形や長さによっては内視鏡挿入時に痛みが強くなる可能性があります。このような場合には鎮静剤を使用して検査を受けた方が楽です。当院の鎮静剤は完全に眠ってしまうほどではなく、お酒を飲んだときのように少しぼーっとしますが、たいていの場合、検査の画像を見ていただくことができます。鎮静剤を使用するかどうかはご本人のご希望に合わせて決めていますので、ご自分で選んでいただけます。(検査時の鎮静剤についての詳しい説明のページはこちら)
大腸ポリープには何年も経つとガンができてくるものがあることが知られています。腺腫と呼ばれるタイプのポリープがそれです。ただ、がんができるのはポリープのうちの数パーセントとごく一部で、それも何年もかかってできてきますから、ポリープがあるからといってすぐにあわてる必要はありません。見つかったものはその場で取っておけば、そのあと気にする必要は無くなりますから、基本的に検査時にその場で切除してしまうことをお勧めしています。ただ、ポリープの大きさによっては、切除後1週間の旅行・運動・飲酒の制限などがありますので、ご都合が合わない時は観察のみとするか、小さく組織をとって病理検査をする(生検と呼びます)にとどめることになります。
内視鏡検査による院内感染を予防し、安心な検査を行うためには、滅菌消毒の安全管理と使い捨てのディスポ製品の使用が必要となります。当院ではオリンパス社の洗浄装置を使い、内視鏡学会が推奨する高水準消毒剤アセサイドで内視鏡本体を消毒した上で、使い捨てのティスポ器具を用いてポリープ切除などを行なっています。(安心と安全へのこだわりのページはこちら)
申し訳ありません。決して自慢できることではありませんが、当院での大腸検査は待ち時間が長くなってご迷惑をおかけすることがあり、大変申し訳なく思っております。これについては皆様にご理解いただく必要があると考え、あえてここに書かせていただきました。なにぶんにも院長が一人で検査を行なっており、また検査時間もお一人に30分以上かけているため、その日の検査の順番の最初になるか最後になるかで待ち時間がかなり変わってきます。朝9時にきていただいてもお帰りが18時を過ぎる場合もあります。何卒ご理解の程をお願い申し上げます。(当院での検査の待ち時間についての説明のページはこちら)
大変申し訳有りません。ただいま準備中です。近日中にアップロードします。
当院での2012年1月から10月末までの肛門手術・処置の実績は以下の通りです。当院では、院長の黒田敏彦が全ての手術・処置を担当して行っております。
手術・処置の内訳
手術の種類と件数、およびそれに対する麻酔の種類を示します。
予約手術:131件 (手術枠の予約を取って行うものです)
痔核根治術(結紮切除術およびジオン注射療法) 73件 (仙骨麻酔)*
痔瘻根治術(痔瘻管切除術など)42件 (仙骨麻酔)
裂肛・肛門狭窄根治術 7件 (仙骨麻酔)
直腸瘤根治術 1件 (仙骨麻酔)
皮下腫瘍摘出術 2件 (局所麻酔)
尖圭コンジローマ切除術 6件 (局所麻酔)
*ジオン注射療法は無麻酔でも可能ですが、当院では肛門を良く拡げて病変部に確実に注射するために仙骨麻酔下に行っています。
外来処置:211件 (予約を必要とせず、外来受診時に行うものです)
痔核ゴム結紮術 74件 (痛くないので麻酔を必要としない処置です)
痔核血栓摘出術 11件 (局所麻酔)
痔核硬化止血術 3件 (痛くないので麻酔を必要としない処置です)
嵌頓痔核整復術 12件 (若干の痛みがありますが、通常は麻酔無しで行います)
肛門周囲膿瘍切開術 95件 (局所麻酔、まれに仙骨麻酔)
肛門拡張術 16件 (痛くないので麻酔を必要としない処置です)
ご覧になっていただいてわかるように、当院では同じ痔核の治療でも、薬・ゴム結紮療法・硬化止血術・ジオン注射療法・切除手術など、様々な治療法を組み合わせて、それぞれの患者さんの御希望と病状にあった治療法で治療するようにしています。
上にあげた手術については、どういう手術かの説明のページを作る予定です。出来次第に公開したいと思いますので、それまでお待ち下さい。
おしりの具合が悪くて診察に来られた患者さんの多くが、「手術で切らなければいけないんだと思って来ました」と言われます。どういうわけか、肛門科でおしりを診てもらうと手術をされると思っている方が多いようです。でも実際には、そのようなことはまったくありません。
当院には2012年の1月から10月の間に2400人以上の方が初診で来院されましたが、おしりの悩みで来院された方は1800人くらいです。これをもとに、上に挙げた手術・処置の数を整理すると下の表のようになります。
これでわかるように、外来で「いきなり」痛い処置をする確率は17人に一人、予約して手術を受けることになる確率は14人に一人ということになります。つまり、おしりの悩みで受診される患者さんのうち、ほとんどの方は薬だけの治療で良くなることがわかります。
外来に「切るしかない」と思い詰めて来られる方の多くは、肛門が腫れて痛くなった方です。そのうち、外来でいきなり切る必要があるのは肛門周囲膿瘍によって膿がたまった場合ですが、実はあまり多くありません。肛門の痛み・腫れの大部分は血栓性外痔核によるもので、そのほとんどは薬だけで良くなります。その診断には診察が必要ですので、まずは受診していただくようにお願いします。
また、痔の患者さんの中には、「手術をした方が良くなるんだけれども、まだ決心がつかない」とか、「手術を受けたいんだけれども、仕事が忙しくてまだ受けられない」といった方も数多くおられます。当院では「痔は切りたくなった時が切り時」をモットーにしていますので、患者さんご自身の意思を尊重して、手術を受ける気になるまでは、できるだけ手術以外の投薬や処置で対応するようにしています。
くよくよ心配しているよりも、まずご自身のおしりの本当の状態を知ることが大切です。ほとんどの方は手術は必要ありませんし、もし必要な場合でも、手術を受ける気になるまでは、それに合わせてできる限りの治療を提供するよう心がけています。当院では、肛門の診察を受けてかえって不安になるのではなく、自分のおしりの状態について納得して心の安らぎを得ていただけるクリニックになることを目指しています。
内痔核(脱肛)、肛門ポリープ、直腸脱などが考えられます。それぞれ出血の有る場合と無い場合、脱出時の痛みの有る場合と無い場合があります。また、ひどくなると家事や歩行中・ゴルフ中などに出てくるようになる場合もあります。恥ずかしいため、20〜30年以上こういう症状を我慢されている方も少なくありません。比較的まれですが、直腸にできた大腸ポリープが脱出する場合もあります。大腸ポリープは肛門ポリープと異なり、大腸ガンに進む可能性がありますので、早めの切除が必要です。
血栓性外痔核が考えられます。ひどく痛む場合もあれば、軽い違和感のみ、あるいは全く痛みを感じない場合もあります。ストンと座ると当たって痛む、膨らんでいる部分を肛門に押し込むと楽になる、などの症状も見られます。見分けがつきにくいものとして、肛門周囲膿瘍の初期がこれとよく似た形で起こる場合もあるので注意が必要です。
肛門周囲膿瘍が最も考えられます。膿が下着につく場合もあります。
最も多いのが肛門部のスキンタグ(皮垂)と呼ばれるものです。これは、簡単に言えば肛門皮膚のたるみやシワのようなもので、大きな血栓性外痔核ができて治癒した後にこのような皮膚のたるみを残すことがあります。女性ではお産のときに肛門がうっ血して以来こうなったと言われる方が多いです。もともと肛門の外側にあるものですから無理に中に押し込んでも出てきます。詳しくはスキンタグの項目へ。
尖圭コンジローマが考えられます。かゆみなどを伴う場合もあります。
肛門科外来で最も良く見られる症状です。痛い場合と痛みを感じない場合があります。内痔核(イボ痔)、裂肛(キレ痔)で主に見られます。潰瘍性大腸炎、放射線性腸炎などの直腸の炎症で起こることもあります。
これも、肛門科ではよく見られる症状で、痛みはある場合とない場合があります。やはり内痔核と裂肛が主な原因です。便器や水が真っ赤になるのでびっくりされますが、多くの場合、便器にうすく広がっただけで、貧血を起こすほどの量ではありません。(びっくりしてフラフラしたというような脳貧血の症状を訴える患者さんはいますが。)しかし、こういった出血が1ヶ月以上毎日続いているような場合には貧血を起こしている場合もありますので検査が必要です。
脱出する3度以上の内痔核(脱肛)や直腸脱で、脱出していることに気がつかないまま歩行したりすると、下着に粘膜がこすれて血液がつきます。また血栓性外痔核でもたまに血栓の一部が破れて出血し下着につくことがあります。痔瘻では膿とともに血液がうすくつくこともあります。
上にも述べたように、痔核や裂肛の出血がこのように見えることもありますが、最も注意しなくてはならないのが大腸からの出血で、大腸ガン、大腸ポリープでこのような症状が見られます。また大腸に炎症を起こす病気である、潰瘍性大腸炎、放射線性腸炎、虚血性大腸炎でもこのような症状が見られます。いずれにせよ大腸内視鏡検査を受けることが必要です。
この症状は、肛門ではなく大腸からの出血であることが最も疑われます。病気としては、虚血性大腸炎や大腸憩室出血が原因のことが多く、大腸ガン、大腸ポリープ、放射線性腸炎、潰瘍性大腸炎でもこのような出血が見られることがあります。時には内痔核からの大量出血がこのような症状を示す場合もあります。また、頻度は多くありませんが、クローン病でもたまにこのような出血が起こります。いずれの場合も、診断には大腸内視鏡検査が必要です。
これは典型的な裂肛(キレ痔)の症状です。この場合、排便時だけでなくその後もしばらく痛みが続くのが特徴です。出血を伴うことも無いこともあります。入浴(あるいは座浴)したりして肛門を暖めると楽になります。
排便と関係なく常に肛門が痛い。1日〜数日前から始まった。症状が強い場合には、いてもたってもいられない、夜眠れない、痛くて座れない。
これは血栓性外痔核、肛門周囲膿瘍でよく見られる症状です。ほかにも化膿した膿皮症、肛門部アテローム(粉瘤)の場合もあります。いずれにせよ専門医による診断が必要です。
肛門部皮膚炎(湿疹)のほか、単純ヘルペスやまれに帯状疱疹(水疱瘡のウイルス感染症)でもおこります。診断には視診による診察に加え、血液検査が必要な場合もあります。
便はアルカリ性で皮膚を刺激しやすい性質があるため、肛門部には皮膚炎(湿疹)を起こすことがしばしばあります。アレルギーやアトピーの体質が特に無い方でも起こりますが、体の他の部位に湿疹のある方では肛門にも湿疹ができやすいです。詳しくは肛門部皮膚炎の項を参照してください。また、注意を要するものとして、足の白癬(水虫)がうつって起こる肛門部白癬や、婦人科のカンジダ症がひろがってくる肛門部カンジダ症の場合もあります。鑑別の難しい場合には皮膚科や婦人科の先生にご紹介するようにしています。
よく知られているように寄生虫の蟯虫(ギョウチュウ)によって起こります。肛門にテープを貼って虫卵検査をします。
2度以上の内痔核や直腸脱がある方で時々見られる症状です。手術できちんと治療すればこのような症状は無くなります。
直腸の前側の壁と膣の間を隔てる薄い筋肉が緩んで直腸の一部が前方の膣の方へ膨らみだしている直腸瘤が考えられます。ひどくなると排便しようといきんでも膣口から外へ膨らんでくるので、それを手で押さえ込まないと排便できなくなります。
上に挙げた内痔核・直腸脱、直腸瘤の他、肛門狭窄でも起こります。肛門を診察しても特に目立った異常を認めない場合もあります。排便というのは、自律神経を無意識のうちにコントロールしておしりを締める括約筋群を緩めると同時に、いきみによって意識的に便を押し出すことにより可能になるので、括約筋を緩めることがうまくできていないといくらいきんでも排便できないことになります。このような状態はアニスムスと呼ばれます。
大変申し訳有りません。ただいま準備中です。近日中にアップロードします。
当クリニックでは院長自身の方針として、自分や家族が医者にかかる時にこういう風にしてほしい、こういう医療を受けたい、ということを実現するようにしています。ですから、外来診療・内視鏡検査・手術のすべてにおいて、そこで使われる器具や行われる処置の安全性については最大限の注意を払っています。手術や内視鏡検査の安全性は、操作・手技の習熟度と器具の品質管理・滅菌消毒の完全さなどによって担保されます。手技を安全に行うことについては自信を持っていますが、器具の清潔さが不十分では何にもなりません。前のページでも少しご紹介しましたが、このページでは安全で安心できる医療を実現するために当クリニックが使っている機器・器具をご紹介します。
内視鏡検査で組織検査をしたりポリープ切除をする際に使用する使い捨て器具です。どれも立派な作りのものですが、一人の患者さんに使用した後は廃棄して使い捨てにします。毎回新しい器具を使用することで、患者さんの間での院内感染がおこることを予防します。器具には様々な種類のものがあり、ポリープの大きさや形、処置の内容によって使い分けます。ここでお見せするのはその一部です。これらの器具の費用は、保険診療ではポリープ切除の診療報酬から出すことになっているので、これを使うことによって患者さんの負担が増えるわけではありませんのでご安心ください。(つまりは、クリニックのランニングコストということになります。)
外来手術・内視鏡的ポリープ切除で使う電気メスです。大病院での開腹手術でも使われる高性能のもの(
Covidien社ForceEZ )を使用しています。これによりポリープを切除する際にも微妙な調節をしながら安全に切除する事が可能となります。
オリンパス社の内視鏡洗浄装置OER-4です。強力かつ人体への影響のほとんどない
消毒剤アセサイドを用いて20分弱の短時間で内視鏡を消毒するすぐれものです。
これがアセサイド消毒液の箱です。その昔は、グルタールアルデヒドというホルマリンをさらに強力にしたような強烈な薬剤で内視鏡を洗っていましたが、その強い刺激性のために医療従事者にぜんそくなどを起こす危険性があり、アセサイドのようなより安全でしかも強力な消毒薬にとってかわられました。
このアセサイドはカセット型になっており、外に液を漏らすこと無く機械にはめ込むだけで新しい液と交換できるようになっています。これにより医療従事者と患者さんを消毒薬にさらす危険性を最小限にしてあります。
ところが、この理想的な消毒剤アセサイドにも弱点があります。それは、いったん開封すると時間が経つとともに分解して殺菌力が低下してしまうということです。このため、開封後は毎日その殺菌力を測定する検査スティックを使って十分な効力があるかどうか確かめる必要があります。これを怠っているとせっかくの機械と消毒剤も役に立ちません。このチェックを忘れずに行うために、黄色い注意書きを貼って、確実な消毒を行うようにしています。